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Guideline 修繕ガイドライン
SUPER POTATOデザイン空間の修繕ガイドライン
当マンションBrillia Mare有明TOWER&GARDENはスーパーポテトのデザイナー杉本貴志がマンションとして手がけた建物です。(同社Web https://superpotato.jp/ja/works/ブリリアマーレ有明/)
杉本氏が2018年に他界した今、彼の遺作の一つであるデザインを保持することがブリリアマーレ有明の長期的な資産価値の向上には不可欠と考え、修繕におけるガイドラインを共有いたします。
同社がデザインをしたのは建屋内の以下の空間のすべてです。デザインを元に完成した空間に、同社が家具・照明を選定、配置して総合デザインとして成立したのが竣工時のブリリアマーレ有明です。
- 33階共用施設各所(ガーデンテラス・バーラウンジ・暖炉部屋・キッチンスタジオ・プール・OS4)
- 南西側エントランス1階から2階の吹き抜けたロビーラウンジ
- 北側エントランス1階から2階の吹き抜けたロビーラウンジ
以上の空間以外は本ガイドラインを遵守する必要性はありません。(ただし、SUPER POTATOのデザイナーによるアドバイスを仰ぎ、竣工後にアップグレードされた場所として1階の東西各エレベーターホールがあります。)
SUPER POTATOのデザインがなされた修繕の際に心がけること、遵守することは3点です(いずれもCredoより引用)。
- 空間を形作る素材、デザイン、歴史を尊重し、これを維持していく
- 竣工時の素材感や色合い、デザインが失われないように心がける
- 時間とともに深みや味になる素材を選ぶ
スーパーポテトがデザインした空間(上記参照)の修繕時の検討手順
- 原則、修繕箇所と同様の素材。素材が廃盤の場合、最も質感が近いものを比較検討し選択する。
- 共用施設の家具・家電のほとんどは2009年竣工当初と同型のものは廃盤となっているが、素材感とデザインを近しいものを比較検討し選択する。特に家具補修の際に、Furniture Recipeにファイリングされている素材に触れ、色を比較して参照すること。
- 素材の質感、デザインで同等の物が見つからない場合、以下の同社デザインの空間を参照して統一感が保てる物を選択する。
Super Potato Design Book P72 レストラン春秋(溜池山王)
Super Potato Design Book P 131 レストランMezza9(グランドハイアットシンガポール)
Super Potato Design Book P 141 レストランBrix(グランドハイアットシンガポール)
Super Potato Design Book P 212 客室(パークハイアットホテルソウル)
以下はご参考までに、デザイナー杉本貴志氏の当マンション竣工当時、2010年刊行『杉本貴志のデザイン 発想|発酵』から、当マンションのデザインの根底にあった杉本氏のメッセージを抜粋します。
「デザインし過ぎない方が、たぶん時代には強いー特に昔と違って、今の表現は時代と密接に絡んでいるから、デザインしすぎると、時代が少し過ぎた時に、具合のいいところがスーと抜けて具合の悪いところだけが残っちゃう。そういうのがない方が、たぶん時代に対して強いんだろうと思うね」
「僕にとってのデザインは、可能性を提示することー1960年にできた百合ヶ丘団地。今では賛否両論があって、あそこに1700戸以上もある団地がつくったことがよかった、それで満たされているのか、が問題になっていた。ただ、入居した人は、すごく感銘を受けて住んでいるんだよね。この住宅に暮らすことで生まれるなにか作用なり思想なり、そういうものを建築家は出さなきゃいけないという気がする。僕らもバーやレストランをつくらされた。今はホテルをやってるけど、これだってホテルが特別いいわけでもない。それでも競争だから成績を上げなきゃ、仕事は来なくなる。商業設計はそこが一番大きいからね。でも、その先を超えたところでなんらかの価値観が重要だと思っている」
経歴
1945年、東京都生まれ。68年、東京藝術大学美術部工芸科卒業後、73年、スーパーポテト設立。
85年から「ギャラリー・間」運営委員、92年から武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科教授。
作品
ハイアットホテル(グランドハイアットシンガポール、グランドハイアット東京など多数)
シャングリラホテル(アイランドシャングリア香港など多数)
旅館
妙見石原荘 新館 鹿児島県
マンション
アイランドタワースカイクラブ(福岡 2008年)
ブリリアマーレ有明(東京 2008年)
以上